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電気文明の限界

 復旧の目処が立たない停電が続いている。東京電力管内で93万軒が停電した。

台風15号の関東直撃は高圧送電線の倒壊やなぎ倒された電柱の復旧を阻むように、雷雨が広範囲に亘って続いたのだという。猛暑の中で水道の断水と停電は都市の生命線をぶった切った。オール電化の家では電動のシャッターが閉じたまま、窓を開けることも叶わず、熱中症で亡くなった人も出た。普段、快適な生活をおくっていて、電気が点いているのが当たり前になっているし、こんな天災に遭おうとは微塵も思わなかった人が殆どだろう。私も違わずヘラヘラとエアコンや扇風機を使い、いい加減な心構えで暮らしている。

「電気がなくても人は死なない」東電の社員だった木村俊雄氏の本を読んで、その事に気付かされてから、今まで使っていた電化製品を殆ど処分した。電気ポット、電気炊飯器、オーブントースター、プレート、残したのは冷蔵庫、洗濯機、アイロン、掃除機と生ゴミ処理機とエアコン。店の冷凍庫、冷蔵庫は2機処分した。電気使用量が前年比60%減になって、無駄な電気を垂れ流して多額の電気代を払って企業に貢献してきた愚かさを思い知った。電気ポットを止めれば原発が3基減ると木村氏は言う。


 林立する高層ビルは電気に完全支配されて存在している。千葉県がそうであるように一旦大きな天災に直撃されると、戦禍に遭ったが如き電気文明は為す術を持たない。文明とはなんぞや。人が持つ危機回避能力や咄嗟の判断力や、自分たちの手で動かしたり手当てできる技術を人任せ、企業任せにしてきた依存性に気付かされる。パソコンの中は無限の可能性を謳い、人は思考力を鈍らせ、与えられた情報にうたた寝をする。この度改造されたガラクタ在庫一掃処分内閣と揶揄される内閣に小泉進次郎氏が環境大臣兼原子力防災担当大臣に任命された。困難なポストである。海洋汚染、温暖化対策、一番に福島に行って現地を歩いた。これから原発を巡ってどの方向に舵を切るのか、黒い山の林立する核のゴミを福島から何処かに持ち出すと約束しても、原発が稼働する限り出続ける核廃棄物、日本列島は愈々核のゴミに埋もれ人々は倒れ屍の山となるだろう。電気があることに慣れすぎてもっと快適に楽にと電気を追い求めても一旦電気が止まってしまったら何も出来ない。甘い生活スタイルに嵌め込まれてしまった私たちの行方は電気文明の滅びと共にある。

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