人影が消えた地球で

 雨上がりの庭に石こく蘭が満開となった。何とも優しい淡いピンクが辺りに存在感を見せている。間もなく咲き始める紫陽花は蕾を綻ばせて雨の季節を待っている。

暗闇のトンネルを抜けると季節は初夏へと変わっていた。社会は大きく変化してこれからどんな世界が見え始めるのだろう。

人類が初めて経験したウイルスは既に30万人以上の命を奪った。コロナウイルスは人類の飽くなき欲望を木っ端微塵に打ち砕く見えない破壊力を持っている。経済活動の再開を急ぎ「緊急事態宣言」を解除したが、「第2波」の襲来を防ぐ手立ては難しそうだ。戦々恐々として人々は家に籠もり息を潜めている。ストレスを溜め込んでイライラするのは人間の本能だ。人が多すぎれば大概の人はストレスを感じるものだ。都市は不特定多数の人間の坩堝である。大都市に膨れあがったコンクリートジャングルは、数多の経済活動を牽引する「経済のお化け」だ。人が人であることを忘れるための「経済」である。見えないウイルスを避けた都市は眠ったように人がいない。「動かない都市」電気文明の終焉をみるようだ。

地方に犠牲を強いる都市のあり方が転換出来ない以上、これからのウイルスを抑え込むことは不可能では無いだろうか?考えてみればこの小さな島国に原発が53基、フクシマの犠牲を見るまでも無く、一極集中の大都市に不夜城の如き電力を送り続ける地方、幾ばくかの金品と交換するには余りにも犠牲は大きかった。


 資源に乏しいこの国では工業製品との貿易の犠牲になった、第一次産業「農業」は衰退した。農業を放棄して殆どの食糧は海外に求められている。食品の買い占めが横行している。輸入品が入ってこない厳しい状況が続いている。私だけが生き残るという執念は生存本能なのだろう。自我に振り回される人々が右往左往している。「世界一貧しい大統領」と冠されたウルグアイのホセ、ムヒカさんは世界の経済の壊滅的状況をみて何を語るだろうか。

スエーデンの環境活動家、グレタさんは澄み切った空を笑顔で見ていることだろう。

 サファリパークでは人影が消えた通りに沢山のライオンが寝そべっている。観光船が停泊した入り江にはイルカが自由に泳ぎ回っている。排気ガスや煙の消えた北京の空、インドの凱旋門といわれるインド門は澄み切った青空にクッキリと浮かび上がっている。神の采配か未確認飛行物体の仕掛けなのか、人間の経済活動の行きすぎを戒める何かが新型コロナウイルスとして世界中を席巻したのか、兎も角コロナ終息後の世界は大きく変貌することだろう。一粒の種を蒔こう。都会を緑で覆うほど。田畑を耕して食糧を生産する農業国としての復活を遂げることを考えなければならない。大胆にこの国を生まれ変わらせる指導者を育てる使命を私たちは持っている。心を禅定に保ち隣人を愛する社会。

 経済文明によって分断された世界を一つに繋ぐ道筋を模索しながら、コロナウイルスと共存する社会の創成を模索しなければならないだろう。

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